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本当に薬価60万円は安すぎるのか?
コラテジェンの薬価が決定しました。
投与1回の公定価格は60万円。
基本は2回投与での治療になるので、1人あたり60万円×2回で120万円。
一部アナリストの見解では200万円から~300万円と見られていたことから、
かなり安く薬価が設定されたかな。
という印象です。
しかし、無の状態からアンジェスの導出品が国内初の遺伝子治療薬として市場に出回るのです。
今回はこの薬価でどのような未来が待っているか、考えていきます。
Contents
薬価60万円でどのくらい売り上げがあるのか。
先ほども述べた通り、基本、2回投与なので1人あたり60万円×2回で120万円。
国内での患者数は年1000人ほどとみられているので、売り上げは年12億円くらいと想定されています。
何年間も研究開発費で数十億円かけていた為、かなり物足りない気はしますね。
以前のIRにもあるように、イスラエルでの販売を基本合意しています。
【承認確定?】アンジェスとイスラエルの基本合意から見える承認取得の可能性
12億円の国内市場と、イスラエルでの薬価、対象患者はわかりませんが、
すでに2か国での販売は決まっているということです。
日本、イスラエル以外での導出は?
その他にも、米国の治験が最終段階のP3で一旦中止となっています。
この米国での治験が再開され、FDA(米国の厚労省みたいなところです。)に認可されたら、米国の患者数は50万人と見られていています。日本の500倍の市場なので、先ほどの薬価で計算して1200億円です。
米国だけで50万人です。日本、イスラエル、米国での有効性が証明されれば、他の国でも治験が開始されるでしょう。
オプジーボと比べてみる。
あのめちゃくちゃ高いとニュースになったオプジーボも薬価は73万円(100mg)でした。
コラテジェンが60万円なのでこれだけで見るとあまり変わらないですね。
ただ、違いが1点。
コラテジェンは基本2回投与なので使用する薬剤量としては少なく済みます。
オプジーボは2週に1回の投与。
年間26回の投与をしますのでコラテジェンよりも年間の医療費はかなり差が出てきます。
オプジーボは当初適応症がメラノーマという皮膚癌だけだったので、
販売時は希少性が高く、薬価が高額でした。
しかし、今では適応症が増え、2018年の薬価改定時ではメラノーマを含む7項目に増えています。
それにともない、年間薬価も14年の3800万円から1090万円まで下がっています。
それでもまだまだ高いですが、要は適応症の拡大に伴い薬価も変動していくということですね。
2018年の薬価改定後のオプジーボと、コラテジェンの薬価比較。
一年間にかかる1人あたりの薬価 | |
オプジーボ | 1090万円 |
コラテジェン | 120万円(2回投与の場合) |
こうやって比較すると、コラテジェンがかなり安く設定されているのがわかりますね。
薬価を下げて、国内初の遺伝子治療薬を普及しやすくしたいという狙いがあるのでしょうか?
コラテジェンの適応症拡大は?
コラテジェンの効能は血管の新生。
山田英社長は以前、コラテジェンの適応症拡大の可能性はある。述べています。
例えば心筋梗塞や脳梗塞などは血管新生により再生する可能性があります。心筋梗塞や脳梗塞の治療にも使えるような研究がなされればさらにコラテジェンの未来は広がります。
導出品を上市したことが次につながる。
コラテジェンの薬価は残念ではありましたが、それでも重症虚血肢で悩む患者さんを年間1000人救える可能性が出てきたということです。
これは素晴らしいことですよね。
この上市までのノウハウは、確実に次の商品(高血圧ワクチンや、エボラ治療薬)の導出につながることでしょう。
長期的に見ればアンジェスの経営は安定してくるはずですので、これからの株価の動向に注目です。
最後に
投稿した8月28日現在では株価は660円まで下落しました。
薬価が安かったことにより売りですが、結果的に狼狽売りとなり、かなり下げ過ぎています。
安くはありますが、薬価が決定したことにより販売開始が明確化するのですぐにリバります。このまま静観しましょう。